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2018年5月13日 (日)

オーストリア旅行(2)ザルツブルク、オーバートラウン

4月30日
6時半頃ミュンヘン中央駅発のレイルジェット(オーストリア連邦鉄道の高速列車)に乗車。すぐに車窓は緑の畑に家々や林が点在する景色に。突然、教会を中心とした美しい集落が現れたりするので油断できない。7時50分頃にドイツ・オーストリア国境と思しき川を渡り、8時ぐらいにザルツブルク中央駅に到着。涼しい。荷物をロッカーに預けて街歩きスタート。まずはミラベル庭園。映画「サウンド・オブ・ミュージック」でも登場する、花壇や彫像が美しい庭園だが、曇り空であることもありいまいち。おまけにミラベル宮殿の方も入ってみる。「大理石の間」が公開されているが、こちらも特段のものではない。

南京錠だらけのモーツァルト橋を渡って旧市街へ。まずはこの街が生んだスーパースター、モーツァルトの生家へ。専用アプリをスマホにダウンロードすると、日本語を含む各国語で解説文が読めるという仕掛け。便利だが、気づけばアプリの解説ばかり読んでいる。そもそも生まれた家というだけで何かが残っているわけではないので、展示品は当時の写真やオペラのセットの模型などがメイン。モーツァルト自身だけでなく、その両親や死後のことも解説されており、モーツァルトの死後、妻の努力により彼の名声が拡大し、それに妻の再婚相手が協力、といったあたりはなかなか興味深い。天才は一人で天才になったわけではない、ということか。

朝で人が少ない目抜き通りのゲトライデカッセを歩いて大聖堂へ。でかい(だけ)。続いて隣のレジデンツ、それに大聖堂付属の博物館などを見学。ザルツブルクは大司教が領主を兼ねるという宗教都市国家だったところで、レジデンツは大司教の居城。というか宮殿。宝石まみれの聖具をあまた生み出す宗教の在り方を堪能。大聖堂より歴史のあるサンクト・ペーター教会では、岩壁を穿ってつくったカタコンベを見学。かわいらしい墓地や、装飾過多だがいい雰囲気の聖堂も見学。山の上の城塞を見上げるカピテル広場では黄金の巨大な球体の上におじさんが乗る謎のアート作品が目立つ。後で調べると、ドイツの彫刻家、シュテファン・バルケンホールの「sphaera」という作品。岩壁に置かれた女性像とセットらしいが、そちらには気づかなかった。

ケーブルカーで岩山の上に上がり、11時40分頃、大司教の築いたホーエンザルツブルク城塞へ。ゴシック様式の豪華な「領主の間」などを見学。建物を出るころには晴れてきた。街とは反対側にあるアルプスの山並みが美しい。そうした景色を望むレストランで昼食。プファンドルという、フライパンに肉やらアイアーノッケルン(小麦をゆでた団子状のものを卵でとじて炒めたもの)やらが並ぶ料理。それはいいとして、チップを一セントも出す気がしない低サービスぶり。
Salzburg_from_hohensalzburg_castle
ザルツブルクを一望【ホーエンザルツブルク城塞より】

ケーブルカーで山を下り、今度はメンヒスベルクのエレベーターで再び山の上へ。ここで一気に催してきた。トイレの表示へと向かうが見つからない。腹の痛みをこらえながら右往左往してようやく地味な表示のユニバーサルトイレを発見。そして――下痢。その後エレベータを上がったところにあるテラスから街を望む。晴れたのでよい絵になる。

エレベータで街へ降り、ゲトライデカッセ、大聖堂に近いモーツァルト広場、そして川を渡ってもう一度ミラベル庭園に行って(晴れたので)撮り直しをした後、トロリーバスで中央駅へ。荷物を取ってバス停へ走る。定刻は15時15分だがアジア系高校生(?)が集団で乗車していたおかげで発車が遅れた150番ポストバスに間に合う。ヴォルフガング湖岸では美しい湖と山の景色を楽しめる。が、うとうとしてしまった。16時50分頃にバート・イシュルに到着。

ここから鉄道でハルシュタットに行き、今日の宿にあるオーバートラウンに行こうと待っていると、なんと列車は運休という。17時15分に代行バスに乗車。これでハルシュタットに行けると思ったら、20分ほどでSteeg Gosauという駅で全員降ろされ、今度は列車に乗り換え。車窓はハルシュタット湖が美しい。

17時45分頃にハルシュタット駅に到着。駅はハルシュタットの街とは湖の反対側にあるので、ボートで渡らなければならない。ボートの時刻表を見ると17時半の次は18時50分(これが最終便)。列車が遅れた場合は変わるとも書いてあるが、ボートは一向に来ない。今日はハルシュタットに行くのは諦め、オーバートラウンに直接行くことに変更。オーバートラウンは隣の駅なので次の列車を待つ。この駅は崖と湖に挟まれた、周りになにもない無人駅。湖沿いの遊歩道・自転車道には接続しているが、自動車ではたぶん来れない、いわば陸の孤島。そこに大勢の外国人観光客。

18時20分、突然、客の一人が「今日はもう列車は来ない!」と叫ぶ。パニックに陥る観光客たち。そこにタイミングよくボートが到着。桟橋(というほどのものでもないが)に殺到する外国人たち。が、ボートで街から来た人たちも、列車が来ないのであればここで降りても仕方ない。ボートから降りる最初の客が途中で立ち止まり何やら電話。――電車は来ると分かったらしく、結局全員下船。

さて、どうするか?ここからボートに乗れば対岸のハルシュタットの街に着く。そこからオーバートラウンに行く最終バスは18時45分発。桟橋とバス停は1㎞弱離れているようで、ボートがすぐ出なければ間に合うかどうか微妙。かといって列車が来る保証はない。ハルシュタットは人気の観光地かつ小さな村で、事前に予約しようとしたところ2万円以上の宿しか空いておらず(なのでオーバートラウンに宿を取った)、予約なしで宿がみつかるとは思えない。駅に残って列車が来なければ文字通り駅寝しかなくなる。ハルシュタットに行けばタクシーでオーバートラウンに移動できるかもしれない。が、これだけ大勢の観光客が取り残されているのだから、オーストリア連邦鉄道が何かしら手を打つだろう。多勢に無勢、列車を待つことにする。

――列車が来た。しかし、オーバートラウンとは反対方向。ウィーンやザルツブルクに向かう方向なので、待たされた観光客はみなこの列車に乗り込んでいく。多勢に無勢でなくなった。機関車の方に走り、運転士にオーバートラウンに行きたいと聞くと、次の列車に乗れと言われる(ちなみにここは単線区間)。が、見るとホームに残っている客は誰もいない。迷うが運転士の言葉を信じてホームに残っていると、謎の中年女性が近づいてきて、「この列車がラストトレインだ、これに乗れ」と叫ぶ。オーバートラウンに行きたいと言うと、この列車が行くという。運転士が次の列車に乗れと言ったと説明しても、これがラストだと金切り声。結局、ボートも列車も来ない無人駅に取り残される不安もあったことから、反対方向の列車に乗車。彼女は列車に乗らず、駅に誰も残っていないことを見届けて、どこかへと去って行った。謎。

列車は18時37分に発車。車内放送はドイツ語のみ。それでさえも、周りの中国人観光客の大声の会話にかき消され、駅名すら聞き取れない。列車はさっきも降りたSteeg Gosauでまたも全員を降ろす。代行バス(複数)に殺到する客たち。当然、ウィーン、ザルツブルク方面であろう。オーバートラウン行きはないかと聞くと、まず通常の路線バスはないという。代行バスの運転士の一人が、ここで待っていろと何度も念を押すので仕方なく待っていると、その運転士は自分のバスに乗って(すし詰めの客を乗せて)走り去っていった。

バスはすべて去った。駅に戻り、駅員に聞くと、先ほどの列車を指さしてあれに乗れと言う。しかし、行き先には「バート・イシュル」と書いてある。逆方向じゃないか。そう言っても、あれに乗れと言う。信じられないので、別の駅員にも聞くと、やはりその列車に乗れと言う。19時半発だ、俺を信じろ、とまで言うので、やむを得ず、車内へ。

19時半、突然、車内に表示された行き先表示が変わり、次はオーバートラウンとの表示に。そして1分後、発車。列車は元来た方向へと進み始めた。やれやれ。ハルシュタット駅は通過して、10分弱でオーバートラウン駅に無事到着。予約していた宿へと20分ほど歩く。時折通る車を除けば、鳥の声しか聞こえない。駅前からずっと、開いている店が一つも見つからない。やっと宿に着いたが、人の気配がない。入口に行くと鍵がかかっている。どういうことか。ふと、自分の名前を書いた紙がドアに貼ってあることに気付く。いや、封筒である。はがして開けると、鍵と建物への入り方等を解説した紙が。ロボットなど使わなくてもホテルは無人で運営できるようだ。

さて夕食をとりたい。スマホの地図アプリで検索して10分ほど歩いてたどり着くが、無人。もう1軒へと10分ほど歩くと、そこは開いていた。湖で採れたマス、それにパンとビール。美味しくいただいたが、20ユーロ以上といい値段。周りはスポーツの合宿施設のようで、グラウンドばかりで街灯も何もない夜道。充電切れ間近のスマホを恐る恐る照らしながら15分ほど歩いて宿へ。宿ではWifiが使えない。文句を言おうにもスタッフがいない。ろくでもない。

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