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2018年5月28日 (月)

オーストリア旅行(7)ウィーン

5月5日
ホテルで朝食。コールド・ミールのみだがコーヒーはポット入りでまともなフィルターコーヒー。トラムとUバーン(地下鉄)を乗り継いでシュテファン寺院へ。脇の祭壇でミサ中。内陣は9時オープンとのことでまだ開いていない。午後また来ることにしつつ10分程滞在。歴史を感じさせる内部の空間。ブダペストとは違う本物感。

寺院の周りを一周した後、グラーベン通り、コール・マルクトと歩く。まだ店は開いていないが、高級ブランドばかり。そして王宮前のミヒャエル広場に到着。王宮の建物の軸と、コール・マルクトの通りの直線と、角度が少しずれているのが不思議。広場に面して建つロースハウスは装飾を排除した近代建築で、できたときは大論争になったらしいが、今見ると柱に使われている大理石のような石の模様が目立ち、それほどシンプルには見えない。

9時5分に王宮へ。まず銀器コレクションに入場。15~19世紀に王宮で使われた膨大な食器のセットが展示され、銀器だけでなく陶磁器なども。説明にはフランス、イタリア、イギリスなどとのやり取りが頻繁に登場。ナプキンの畳み方も一つの文化として紹介される。もっとも失われつつあるらしいが。

20分ほどで続いてシシィ博物館及び皇帝の部屋へ。シシィとは皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の妃、エリザベートの愛称。皇帝の片思いだったようで、部屋は別々、皇帝の部屋には妻子の写真が飾られているのに、エリザベートの部屋にはその類はほとんどない。こちらは30分ほどで終了し、続いて王宮宝物館へ。目玉は1602年のルドルフ2世の王冠。その他、ハプスブルク家のお宝を大量に展示。お宝の製作地は、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、トルコなど。神聖ローマ皇帝の選び方なども解説され、興味深い。1時間ほど滞在。

続いて国立図書館プンクザールへ。天井が高く、本は上の方にも所蔵されているので、取り出すためには移動式の階段を使わなければならない。機能性は低そうである。教会などでよくみるドーム建築を図書館に使い、明るい色調の天井画に、重厚感ある大理石の柱や壁、それにたっぷり注ぐ太陽光で、いつまでも眺めていたい部屋。だが、30分ほどで退散。

コール・マルクトに近い路地にテーブルを広げるレストランで昼食。豚肉のウィーナーシュニッツェルなど。従業員が吸うタバコの煙が、風に乗って客席に運ばれる仕組み。そしてクレジット・カードが使えない。ろくでもない。

食後、シュテファン寺院へ。まず金を払って内陣の中へ。ゴシック風の高く上へと伸びる柱が作る天井高い空間。何やらオーケストラがリハーサル中。続いて南塔へ上り、見張り台へ。四方に窓のある小部屋で、15世紀から1956年まで監視員が常駐していた。螺旋階段を降りる。目がまわり、膝はがくがく。続いて隠し扉のようなエレベーター(係員がいないと入れない)で宝物館へ。王宮の宝箱を見てきたばかりなのであまりインパクトを感じない。さらに北塔に上る。ウィーンは上から見て美しい都市ではない。
St_stephens_cathedral_in_vienna
聖シュテファン寺院【ウィーン】

そして最後に寺院地下のカタコンベ・ツアーへ。ハプスブルク家は死後、心臓とそれ以外の内臓を分けてツボに入れ、身体はワックス漬けにしてミイラにして、それぞれ別の場所に保管したというが、日本人的にはバラバラでは成仏できない気がして気の毒。さらに公共墓地だった空間にはむき出しの人骨が大量に。

グロテスクな見物をした後は、コール・マルクトにに面するカフェ・デーメルへ。店内には行列ができているが、レジの隣にあるカウンターは開いている。注文の仕方がよくわからないが、とりあえず座る。レジでケーキ(アプフェルシュトゥルーデル)を頼み、カウンターでポット入りコーヒー(ミルク付き)を注文。コーヒーは熱いうちはうまい。ケーキは…まあアップルパイの類はたいていうまいものだ。店員の中年女性は不愛想さというか、客の目も見ずにサービスしており(一方で店員同士で話しているときは楽しそう)、不快。

16時35分頃、美術史博物館へ。入口近くで、観光客向けコンサートのチケットを売っている。昨日のが良かったので、迷う。が、閉館は18時だと教えられ、まずは美術鑑賞へ。古代エジプトの展示室の中にクリムトの「Nuda Vertas」が。何千年と生き抜いてきた彫像と並ぶと見劣りしてしまい、ちょっとかわいそうな展示の仕方。閉館時間が迫っているので、古代ギリシャ・ローマの展示室は駆け足で。展示物だけでなく、建物自体がこれでもかというほど豪華なつくりで、そちらも見ごたえがある。その中にクリムトの描いた壁画がある。クリムトの没後100年の今年、特別に階段が設置されて、そうした壁画を間近で見れるようになっている。怪しい目つきの女神たちが美しい。

その後は、フランス、イタリア、スペインの絵画の一連の展示へ。カラバッジョ、ベラスケス、ベリーニ、ラファエロなど。野菜などを使って肖像画を描いたアルチンボルドの連作「夏」「冬」「火」「水」も並べて展示されている。

さらに最も有名なドイツ、フランダース、オランダの絵画の展示。ブリューゲル(父)の油絵は40点ほどしか残っておらず、そのうち12点がここ美術史博物館にあるとのこと。彼の描くモブ・シーンは手塚治虫にも通じる面白さではないか。さらに、ヴァン=ダイク、フェルメール、デューラー、ルーベンスも。時々、現代美術が混ざって展示されている。そういう特別展なのだろうか。

こうして閉館の18時まで駆け足で鑑賞。出ると、チケット売りがもう店をたたんでいるところ。声をかけてチケット購入。その後、食事場所を求めてリンク(環状道路)沿いを歩く。やっと見つけて入った店は、後から調べたら歩き方にも載っているカフェ・シュヴァルツェンベルクであった。バイオリンとピアノの生演奏付き。まずはビール(よい苦み)。そしてターフェルシュピッツ。ホースラディッシュとリンゴを混ぜたようなソースや、よくわからないクリームソースが美味(肉は…)。せっかくカフェに入ったので、調子に乗ってホイップ・クリームを載せたコーヒー「アイン・シュペーナー」を。クリームと一緒にしてしまうと、コーヒーのうまさがわからなくなる気がする。

食後、今夜のコンサート会場へ。チケット売りがくれたパンフレットには、会場の写真に「インペリアルホール」との文字が添えられているが、建物の名前が書いていない。地図を見ても名称の記載なし。地図アプリで検索すると、どうやらギムナジウム(日本の中学・高校に相当する学校)。場所はリンクに面したホテル、リッツカールトンの裏手にあるベートーベン広場の隣で、立地は良いが。

現地に行ってみるとおそらく19世紀末から20世紀初頭の建築のようでなかなかごりっぱ。校内に入ると学校関係の掲示板なども見える。そして3階の講堂が今日の会場。確かに壁画や柱の装飾もあり、写真は嘘ではないが、印象がだいぶ異なる。何より壁面はほぼ全部が窓ガラス。このうち中庭に面している方は開け放たれている(それでもやや蒸し暑い)。音響的にはいかがなものかとも思うが、観光客向けの気楽なコンサートだし、ということであろう。それでも(直前で10ユーロ割引でも)44ユーロもとられたのであるが。

そして20時20分に「Wiener Royal Orchestra」による「モーツァルト・シュトラウス・コンサート」が開演。総勢10名で指揮者がおらず、どちらかというと室内楽か。時折、テノールとソプラノ、そして男女のバレエ・ダンサーも加わる。前半はモーツァルトで、トルコ行進曲は自由なアレンジで(元曲を知っているわけではないが)、ピアノとフルートがかっこいい。後半はシュトラウス家その他同時代の作曲家による楽曲。狭いステージながら存分に踊りまくるダンサーにプロ根性を感じる。そして最後は今夜もラデツキー行進曲。

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