踊る人(13)路上のジャンビーヤ・ダンス(サナア)
これまで紹介した様々な踊りは、すべて「見せ物」である。伝統を引き継いできた踊りを、観光客らを対象に金を取ってみせるものだ。そこには一種のうさんくささも伴う。本当にこれは「ホンモノの」踊りなのか、と。観光客が喜ぶよう、アレンジしているのではないか、と。もちろん、それを差し引いても地元文化の一端でいいから触れてみたいわけで、それはそれで構わない。
しかし、サナアでみた「ジャンビーヤ・ダンス」は違った。ホテル前で突然始まった大音響の音楽。それに誘われて路上に出てみると・・・イエメンの短剣「ジャンビーヤ」を持つ男たちが踊っているのだった。それは観光用の見せ物の踊りではなく、地元の人々が何かの祝いのために舞っているのだった。
外国人がカメラをぶら下げてのこのこ近づいていくと、近くにいた「仕切り屋」っぽい男に手招きされ、踊りを囲む人垣の最前列に押し出してくれた。間近でみるダンスは迫力がある。足裁きなども見ていて面白い。
踊り手は固定されているわけではなく、時々飛び込みがあったりして、いろんな人が踊っているが、中に踊りのリーダー格みたいなのがいて、全体を引き締めている感じがするのが興味深い。周りにはそんな様子をビデオカメラで撮影している地元民も。そして、ダンスの輪の脇には正装(?)した男が二人座っていて、子ども達が盛んに記念撮影をしている。
これは結婚式とのことだった。イエメンの結婚式は、男女が別れて執り行う。女性側の式は屋内で行われるが、男性側の式はこうして路上でも盛り上がるのだ。
結婚式がどの程度の頻度で行われているか知らないが、たまたま泊まったホテル前で路上ダンス・パーティが開かれたのはラッキーだった。この旅行ではその後、2回、ジャンビーヤ・ダンスを見たが、もっとも盛り上がっていたのはこのときだった。
ジャンビーヤ・ダンス【サナア】
踊りが終わり、次は歌でひとしきり盛り上がった後、一団は近くの建物にくくりつけていたスピーカーなどを片付けて撤収。主要キャストが車に乗ってどこかに行ってしまうと、取り囲んでいた地元の人々も散会していった。












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