2010年9月 4日 (土)

ニセモノ・ホンモノ(9)自由の女神

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自由の女神は米国の象徴ということになっている。女神の立つリバティ島に行くフェリーは、移民博物館のあるエリー島にも寄る。ここはかつての入国管理局が博物館に仕立てられ、展示物を通して米国に上陸しようとしてやってきた移民達の物語が語られる。両島を巡れば、米国という国が象徴しようとしている(いた)ものが何となく感じられる。

そうした象徴性が強いからだろうか。ニセモノが世界中で最も多い彫像の一つが、この自由の女神ではなかろうか。もっとも有名なニセモノはパリのセーヌ河岸にあるものだろうが、それ以外にも精度を問わなければニセモノはあちこちにある。

なかでもラスベガスのホテル「ニューヨーク・ニューヨーク」の女神像は実物の2分の1サイズであり、精度は不明だが大きさで言えば一番のニセモノではあるまいか。もっともここの女神の役割は、米国の象徴ではなく、ニューヨークの象徴に過ぎないが。

写真は上が本物、下がラスベガスのニセモノ。

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2010年9月 1日 (水)

ニセモノ・ホンモノ(8)ナポレオンの戴冠式

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ルーブル美術館所蔵のダヴィッド作「ナポレオンの戴冠式」。正式には「ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠」というこの絵は、大きさも知名度も最大級で、ルーブルの見所の一つ。その前は大勢の人で賑わう。

一方、そのニセモノがヴェルサイユ宮殿にある。ニセモノと言っても、ダヴィッド自身が作成したもの。いわば本物のニセモノ。元々はダヴィッドが自分で所有していたらしい。

両者の違いでもっとも有名なものは、左側に並ぶ女性の一人(ナポレオンの妹らしい)の服が、ヴェルサイユ版ではピンクであること。

それにしても、一応作者自身の作成とはいえ、所詮ニセモノであるヴェルサイユ版の前にも多くの人だかり。ある意味、この絵の偉大さを物語っている。

写真は上がルーブル、下がヴェルサイユ。

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2010年8月29日 (日)

ニセモノ・ホンモノ(7)エッフェル塔

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パリのエッフェル塔は、19世紀末に登場した当初はかなり悪評高かったようだが、今ではパリを象徴する建築物の一つとなっている。凱旋門、ルーブル、ノートルダム寺院、パリを代表する建物は数多くあれど、パット見て分かるわかりやすさでエッフェル塔をしのぐものはない。

だから、パリのニセモノをつくるとなれば、これは欠かせない。20世紀末に「テーマ・ホテル」がはやったラスベガスでは、ニセモノがずらりと並ぶさまが壮観だが、そのものずばり「Paris」というホテルは、やはりエッフェル塔がシンボルとなっている。流石に高さは本物の半分ほどのようだが。

写真は1枚目は、本物の25分の1のエッフェル塔(東武ワールドスクエア)、2枚目が2分の1のエッフェル塔(ラスベガスのパリス・ホテル)、そして3枚目が本物のエッフェル塔。

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2010年8月26日 (木)

ニセモノ・ホンモノ(6)ポンペイ

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イタリアのナポリ近郊にあるポンペイ遺跡は、生きている街まるごとが火山灰に覆われたことで、街が丸ごと遺跡になってしまったところ。商店街の街並みなど大きな遺構が素晴らしいとともに、邸宅内の壁画や床のモザイクなど細かいものも残っており、それらも見応えがある。

なかでも有名なのが、「秘儀荘」と呼ばれる邸宅に残された壁画。約2000年前の美しい赤い色彩が見事に残り、「ポンペイの赤」と呼ばれている。

そのニセモノが日本の四国にある。鳴門公園内にある大塚国際美術館だ。ここには西洋の著名な絵画等の原寸大の写真を陶板に焼き付けたものが延々と展示されている。最初はニセモノだらけと馬鹿にしてみていたが、よくできているので次第にニセモノでも本物でもどちらでもよくなり、長居してしまう不思議なところ。ここの売りはバチカンの「システィーナ礼拝堂」などの建物内部の壁画や天井画をまるごと再現した「環境展示」なるものがあること。ポンペイの秘儀荘内部も環境展示されており、鳴門の渦潮を見た後にポンペイの赤を鑑賞することができる。

写真は上がその「環境展示」、下が本物。

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2010年8月23日 (月)

ニセモノ・ホンモノ(5)タージ・マハル

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インドのムガール王朝の建築物は、水路がある庭園を前にして、直線と曲線が優美に組み合わさった建物がシンメトリックに対峙し、素人でも何となくその共通性を感じる。そしてその頂点に立つとも言える傑作が、ムガール帝国第五代皇帝、シャー・ジャハーンの妃の霊廟、タージ・マハールである。

一方、オーランガバードにあるビービー・カ・マクバラーは、シャー・ジャハーンの息子で第六代皇帝アウラングゼーブの妃の霊廟。タージ・マハルをまねてつくったらしいが、真ん中の建物が本物と比べると華奢なせいか、あるいは一部にしか大理石を使っていないせいか、あるいは全体的に規模が小さいせいか、貧相な雰囲気が漂う。そのため「貧乏人のタージ・マハル」という、何ともひどい愛称がつけられている。アウラングゼーブは兄弟を殺し、父を幽閉して皇帝の座に着いた男。シャー・ジャハーンののろいが、現代でも残っているのかもしれない。

写真1枚目はそのビービー・カ・マクバラー。2枚目は本物のタージ・マハル。3枚目はニセモノ天国、東武ワールドスクエアのタージ・マハル。

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2010年8月20日 (金)

ニセモノ・ホンモノ(4)雲崗石窟

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雲崗石窟は山西省・大同の近郊にある、中国三大石窟の一つ(残り二つは敦煌の莫高窟と洛陽近郊の龍門)。複数の巨大な仏像と、カラフルで細かい浮き彫りとがともに素晴らしい石窟群である。

とはいえ、日本ではそれほど有名でもないと思うのだが、国内にそのニセモノがある。ニセモノの宝庫、東武ワールドスクエアである。25分の1のスケールで、国内外の有名建築物を再現。しかし、その選定基準はよく分からない。莫高窟と雲崗はあるが、龍門はない。龍門は前面に川が流れているから、再現が難しかったのだろうか。

写真は上がワールドスクエア、下が本物。

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2010年8月17日 (火)

ニセモノ・ホンモノ(3)ボートン・オン・ザ・ウォーター

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英国・コッツウォルズにある、ボートン・オン・ザ・ウォーターは、その名の通り、川沿いに開けた小さな村。ここには「モデル・ビレッジ」なる、村を9分の1サイズに再現したミニチュア・パークがある。モデル・ビレッジ内にはモデル・ビレッジそのもののミニチュアもあり、さらにミニチュアのモデル・ビレッジ内にもさらに小さなモデル・ビレッジがある。

・・・と遊び心も満載の楽しいところなのだが、全般的につくりが雑。村人が趣味でつくりましたという趣。もっと気合いを入れてつくればいいのにと、つい思ってしまう。もっとも、本物の建物と同じ石でつくられているようで、雰囲気は出ている。

写真は上が本物の村、下がモデル・ビレッジ。

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2010年8月14日 (土)

ニセモノ・ホンモノ(2)ため息の橋

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Bridge_of_sighs

Seufzerbrcke

ため息の橋とは、イタリア・ヴェネツィアのサン・マルコ広場にあるドゥカーレ宮殿と対岸にある牢獄だった場所を結ぶ橋。ため息が出るほど美しい、という意味なのかと思ったら、そうではなく、投獄される囚人が、牢獄に入る前に最期にヴェネツィアの景色を眺める場所なので、ため息をつくところ、という趣旨らしい。いずれにしても、作り話めいているが。

橋と言うよりも、建物と建物をつなぐ渡り廊下という風情だが、有名になってしまったので、同じように街中にある渡り廊下はここをもじって「ため息の橋」と呼ばれるようになってしまった。

写真1枚目はヴェネツィアの元祖「ため息の橋」、2枚目はイギリス・オックスフォードのもの、3枚目はドイツ・フランクフルトのものである。渡り廊下であること以外に共通性をなかなか見いだせないのだが、同じ名前で呼ばれているのが面白い。

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2010年8月11日 (水)

ニセモノ・ホンモノ(1)ダム広場と王宮

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アムステルダムのダム広場はまちの中心。広場に面して王宮が鎮座する。もっとも今は王宮と名乗っているが、元々は市役所として建てられたもの。それが、現在では王室のものとなっているので「王宮」を名乗る。元は宮殿だった建物が今は別の目的で利用されている、というのはよくあることだが、そうではなかった建物が後から「王宮」を名乗るというのはなかなかないのではないか。とはいえ、女王はハーグという別の街に住んでいる。名前からは女王が住んでいるような印象を与えるが、そういうわけでもない。

さて、2枚の写真。上はホンモノ、下はそのハーグにあるミニチュア・パーク「マドローダム」にあるニセモノ。実物の25分の1のサイズで再現された模型である。ホンモノでは、人通りも車の往来も激しいので、左の王宮、右の戦没者記念塔とその奥の新教会と、揃って撮るのはなかなか難しかったりする。

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2007年8月20日 (月)

鬼怒川・会津旅行

ブラジル旅行連載中ですが、ちょっとだけ割り込み。

2007年8月19日
東武日光線快速で小佐越駅へ。歩いて東武ワールドスクエアへ。開場と同時に入場。1/25で再現された世界中の建物が並ぶ。ローマのサンピエトロ大聖堂の後ろにエッフェル塔、ニューヨークの摩天楼、そしてピラミッドが頭をのぞかせるシュールさ。成田空港では搭乗案内の放送が聞こえてくる。もっとも外国の建物ではそれっぽい音楽が流れるだけだが。

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この一枚に中国、イタリア、エジプト、フランス、アメリカ、スペイン、インド・・・が同居

その色は違うだろうとか、多少の不満はあったが、それなりに盛り上がり、写真も沢山。日本のコーナーはつまらなかったこともあり、次の電車に乗るべく、最後はざっと流し、タクシーで鬼怒川温泉駅へ。

東武、野岩鉄道、会津鉄道と乗り継いで、塔のへつりへ。やや奇岩だが、微妙。川の景色は綺麗だったが。駅から近かったのでまあよしとしよう。

駅に戻り、「運転日注意」のトロッコ列車を待つ。今日は運転していないのかと諦めかけた頃、警笛が響き、トロッコ列車登場。無事乗れた。車内は風が通って気持ちいいし、鉄橋の上で停車してくれたりして楽しい。名残惜しいが次の湯野上温泉駅で下車。

自称日本唯一の茅葺き屋根の駅舎を眺めた後、タクシーで大内宿へ。茅葺き屋根の建物が並び、独特の風情。それを求める観光客で大賑わい。ここで昼食。そばも岩魚もずんだ餅も美味しい。通りには水が流れ、そこで飲み物や野菜を冷やしているのもいい。
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大内宿

社のある高台に登ると街並みが一望。素晴らしい。通りに戻ると雨が。雨が上がるのを待って、タクシーで今度は湯野上温泉の河原にある露天風呂へ。緑の木々に囲まれ、水音が響く雰囲気は良いが、お湯が熱い。汗を流しに来たのに、逆に汗が噴き出てくる。

温泉から出ても火照りが引かない。しかし30分以上かけてのんびり駅へ歩く間に、風も吹いてきて、ようやく汗がおさまる。

会津鉄道・野岩鉄道・東武鉄道直通の快速列車で鬼怒川温泉駅へ。ここで全席指定の「スペーシアきぬ」に乗ろうとするが、案の定「空席なし」。それでも立ち席なら売ってくれるというので、乗車。2時間立ちっぱなしは長いと思っていたら、「キャンセルが出た」とのことで、無事着席。快適に帰宅できた。

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